■ はじめに
「転職を繰り返すと、逃げているように見えるよ」
──何度そう言われたかわからない。
野球を離れ、JRを辞め、ITへ進んで。
その選択のたびに、周りの誰かがそうつぶやいた。
たしかに僕も、自分の心のどこかで
「もしかしたら逃げているのかもしれない」
と思う瞬間があった。
でも、転職を繰り返してきた今、
はっきり言えることがある。
転職は“逃げ”なんかじゃない。
自分の人生を取り戻すための“選び直し”だった。
この記事では、僕が3つの世界を経験しながら、
“逃げ続けてきた人間”だと思っていた自分の捉え方が、
どう変わっていったのかをすべて書く。
同じように悩んでいる誰かに届きますように。
■ 第1章:僕が“転職を繰り返した”本当の理由
● 野球を辞めた後に残った“ぽっかり空いた時間”
僕は20年以上、野球に人生を捧げてきた。
高校、大学、そして独立リーグ。
夢はただひとつ、NPBに行くことだった。
だけど、イップスや焦り、現実とのギャップが重なり、
僕は野球を手放した。
その瞬間、胸の奥に“穴”が空いた。
朝起きても、今日何を頑張ればいいのかわからない。
人生の中心だった野球がなくなり、
僕の時間と未来は真っ白になった。
その空白を埋めるために選んだのが、JRの仕事だった。
● JRを辞めるときの「これでいいのか」という葛藤
JRに入った理由は正直に言えばこうだ。
「安定してそうだから」
でも現実は、想像以上に厳しかった。
ミスは絶対に許されない緊張。
細かいルールの数々。
重い責任。
常に時間と命を預かるプレッシャー。
最初は頑張れた。
だけど、ある日ふと気づく。
「このプレッシャーを40年続ける未来は違う」
怖くて仕方なかった。
辞めたら後ろ指をさされる気もした。
「また逃げた」と言われるのも目に見えていた。
それでも、僕は辞めた。
● ITの世界へ進んだ理由は“興味”と“成長”
ITに進んだ理由は、
キレイなものじゃなく、ただ単純だった。
興味があったから。
成長できると思ったから。
未来に希望が持てたから。
この3つだけだった。
でも、その3つが、僕の背中を押した。
たとえ周りに何と言われても、
自分の中に「やってみたい」という気持ちがある限り、
そこに飛び込まずにはいられなかった。
■ 第2章:転職を繰り返すたびに言われた言葉
● 「また辞めるの?もったいない」
僕が辞めると伝えるたびに、
決まって言われたのがこの言葉。
「野球を辞めたのももったいなかったのに」
「JRももったいない」
「せっかく入ったのに…」
“もったいない”
この言葉は、人を縛る。
でも、その“もったいない”は、
その人が思う“理想の僕”にとってのものであって、
僕が生きたい人生とは違っていた。
● 「続けられないってことだよね?」
刺さる言葉No.1。
たしかに、続けられなかったのは事実だ。
でも、続けることが正義だとは限らない。
ただその時はまだ、
心のどこかで“自分が弱いんじゃないか”と悩んでいた。
● 「自分探ししてるだけでしょ?」
この言葉がいちばん刺さった。
“自分探し”
たしかに聞こえは良くない。
だけど今なら言える。
探したっていい。
むしろ、探さずに終わるほうが怖い。
■ 第3章:それでも辞めたときだけ見える景色がある
● 辞める瞬間、人は本音に向き合う
辞める決断は簡単じゃない。
不安もあるし、迷いもある。
でも辞めたとき、必ず心の底でこう思える。
「本当はこう生きたいんだ」
辞めることでしか見えない景色がある。
● 不安の中で見つけた“自分の軸”
転職のたびに不安はあった。
でもその不安と向き合う中で、
少しずつ自分の軸が見えてきた。
・努力が成長につながる場所が好き
・“意味のないプレッシャー”は苦手
・興味があることを伸ばしたい
・安定より挑戦に心が動く
・家族との時間を大切にしたい
転職するほど、逆に自分がクリアになっていった。
● 辞めなかったら分からなかったこと
もし僕がJRに残っていたら、
もしITに来なかったら、
きっと今のように胸を張れなかったと思う。
辞めることで初めて、自分が“違和感”に耐えていたと気づいた。
辞めることは逃げじゃない。
「違和感を無視して、自分をすり減らし続ける」
その方がよっぽど逃げだ。
■ 第4章:3つの世界を経験して気づいた“仕事の本質”
● 野球で学んだこと
野球は努力が裏切らない世界だった。
努力しなければ成長しない。
でも努力すれば、必ずどこかで自分を助けてくれる。
継続、分析、根気、メンタル。
この土台は今もずっと活きている。
● JRで学んだこと
JRでは“責任”を学んだ。
命を守るという重さ。
確認の大切さ。
ミスが許されない環境でのプレッシャー。
あれを経験したからこそ、
今の仕事には冷静な判断ができるようになった。
● ITで学んだこと
ITでは“論理”と“継続”を学んだ。
分からなくても読み続ける。
仮説を立てる。
何度でも試す。
積み重ねる。
努力の仕方が変わった。
● 異色キャリアは武器になる
野球 → JR → IT
この3つの世界を経験したことで、
僕のキャリアは“線”でつながった。
最初はバラバラに思えても、
どの経験にも価値があった。
■ 第5章:「転職=逃げ」ではなく「選び直し」だった
● 残る“理由”がなくなっただけ
僕が辞めた理由は、
弱さではなく“居続ける理由”がなくなったからだ。
それだけだ。
● 興味と成長を選び続けただけ
興味が薄れ、成長できなくなり、
未来に希望がなくなった場所からは離れた。
そこに罪悪感はいらない。
● 転職は「人生を正すための作業」
転職回数が多いと、
世間の目は厳しいときもある。
でも僕は、何度も選び直したことで、
人生の軸がはっきり見えてきた。
逃げたんじゃない。
自分を取り戻していただけだ。
■ 第6章:同じように悩んでいるあなたへ
● 逃げてもいい。でも自分を責めないでほしい
逃げてもいい。
逃げることは悪じゃない。
でも、逃げた自分を責めないでほしい。
それは“選び直しただけ”。
● 転職回数なんて関係ない
大切なのは、
「どう生きたいか」
ただそれだけだ。
続けることがすべてじゃない。
辞めることも、選択のひとつだ。
● 人生はやり直せる。何度でも
僕は野球を辞め、JRを辞め、
そしてまた新しい道を選んだ。
そのたびに不安はあったけど、
そのたびに人生は良くなっていった。
人生は、何度でも作り直せる。
■ おわりに
転職を繰り返すことが悪いんじゃない。
逃げることが悪いんじゃない。
悪いのは、
“自分の人生を諦めること”だ。
僕は何度も逃げた。
何度も選び直した。
でもそのたびに、少しずつ前に進んだ。
だから今なら胸を張って言える。
転職は逃げなんかじゃない。
“自分の人生を生きる覚悟”だった。
あなたも、選び直していい。
人生は、いつからでも変えられる。


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