目次
- ■ 「普通じゃない経歴」に悩んでいた頃の話
- ■ 就活で気づいた“挑戦はマイナスじゃない”という事実
- ■ 「やめてもったいない」と言われ続けた過去
- ■ ITに入って初めて感じた“成長の実感”
- ■ 経歴が一本につながった瞬間
- ■ “普通じゃない経歴”はストーリーになるという事実
- ■ 経歴コンプレックスが武器に変わった瞬間
- ■ 同じように悩んでいる人へ伝えたいこと
■ 「普通じゃない経歴」に悩んでいた頃の話
僕は大学を休学して野球に打ち込んだ。復学すると、周りは一つ年下。年齢差はたった“一学年”なのに、当時の僕にはその段差が高く見えた。就職活動が始まると、面接のたびに休学理由や野球の話を聞かれる。説明すること自体は嫌いじゃない。けれど、毎回同じ問いに向き合うたびに、「自分は“普通”じゃない道を歩いている」という感覚が胸の奥に小さな影を落とした。
■ 就活で気づいた“挑戦はマイナスじゃない”という事実
そんな中、流れを変えたのは他でもない、面接官の言葉だった。「挑戦していたんですね。いい経験だと思います。」意外だった。自分では“説明が必要な点”だと思っていた過去を、相手は“挑戦の証拠”として受け取った。あのとき、僕は知った。**挑戦は、必ずしも減点項目ではない。**見る人が変われば、評価は反転する。自分の歩みを言葉にして差し出せば、経験はラベルを貼り替えられるのだと。
■ 「やめてもったいない」と言われ続けた過去
野球をやめたとき、何度も言われた。「もったいない」。JRをやめたときも同じ。「安定しているのに」。その言葉が嘘だとは思わない。続けていた未来も、きっと立派だったはずだ。だけど、僕は選ばなかった。**“続けること”より“納得して生きること”を選んだ。**その選択は、外から見れば非効率で、勇気が足りない行為にも見えただろう。それでも、心のどこかで「このままの人生は自分の人生じゃない」とはっきり感じていた。
■ ITに入って初めて感じた“成長の実感”
ITの世界に飛び込んだ最初の数ヶ月は、正直地獄だった。コードは記号に見え、用語は呪文、エラーは暗号。深夜まで画面に向かい、何度も心が折れかけた。それでも、ソースから逃げないことだけは自分に課した。分からなくても読む、眠くても読む。ある日ふと気づく。「あれ、読めてる」。その瞬間、胸の奥で小さな火が灯った。日々の学習が“積み重なっている”実感。ITに入ってから、僕はやっと“毎日が成長に変わる場所”に立てた気がした。
■ 経歴が一本につながった瞬間
振り返ると、バラバラに見えた経験は、静かに一本の線でつながっていた。
- 野球で鍛えたのは、分析力と継続力、そして折れないメンタル。試合の流れを読む力は、障害対応や要件整理に直結した。
- JRで叩き込まれたのは、確認力と責任感。ミスが許されない現場での徹底は、運用・テスト工程の礎になった。
- そしてITで身についた論理力と問題解決は、二つの土台を束ねてくれた。
異なる世界の経験が、今の仕事で当たり前のように役立っていると実感したとき、「遠回りでよかった」と初めて思えた。
■ “普通じゃない経歴”はストーリーになるという事実
自己紹介の場で経歴を話すと、相手の表情が変わる。「野球、JR、そしてIT?」驚きと興味が混ざるその顔を前に、僕は気づいた。**人はストーリーに耳を傾ける。**数値や肩書だけでは届かない場所に、物語は届く。僕の“普通じゃない”は、相手の記憶に残り、会話を深くする入口になった。経験は、並べ方次第で“ただの事実”から“届く物語”へと変わる。
■ 経歴コンプレックスが武器に変わった瞬間
ある打ち合わせの後、ユーザーの方が言ってくれた。「いろんな世界を見てきた人は、信頼できる。」その一言で、胸の奥に長く住みついていた引け目が音を立てて剥がれた。**遠回りしてきた自分を、肯定していい。**やめたこと、変えたこと、選び直したこと。そのすべてが、今の僕を支える“説得力”になっている。
■ 同じように悩んでいる人へ伝えたいこと
もし今、あなたが「経歴に一貫性がない」「普通じゃない自分が不安だ」と感じているなら、どうか覚えておいてほしい。遠回りは、必ず武器になる。“もったいない”という言葉は、あなたの人生の熱量を測れない。あなたが選び直してきた回数は、そのまま“立ち上がってきた回数”だ。物語は、真っ直ぐより、少し曲がっている方が、強い。いつか必ず「つながった」と思える日が来る。その日まで、自分の歩幅で進めばいい。
おわりに
“普通じゃない経歴”は、僕にとってコンプレックスの象徴だった。
今は違う。
これは、僕だけが持っているたった一つの武器だ。


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